Ninhursag Ninḫursaĝ

生きづらさの処方箋

身心脱落



Ω 𒀭𒎏𒄯𒊕 _
身心脱落 Ninhursag Ninḫursaĝ


ヒトという輩は我利我利亡者なんだね
共喰いを一向にやむることがないんだ


鵜の目 鷹の目のごとくギラギラな油で
利欲をベトベトに まぶして
我欲を剥きだしに曝して
手当たりしだいにカブリつく


カネしか 愛せないだとか
あれもこれも「我のものです」だなんて
頬張って 欲の皮が突っ張って
タラフクで破裂しそうなビール腹


ねっとり纏わりついた煩悩に感けて
毒を喰らわば皿までも ってな具合に
ミソも クソも 狆くしゃも
見分けも見境もナシに喰らいちらし
暗愚にムしゃぶり尽くす左巻きの豚児


この生臭い愛欲地獄で戯れながら
我と他者とを千切り見比べ評価し
喜悦と悲哀の往復で飢渇に喘ぎ
憎悪し 嫉妬し 貪り 怒り 
果てには 傲慢にツケあがる畜生な肥満体


信心脱落は 則ち如実知見


人はそもそもにして仏性がはいってる
もし これを慰めと舐ってしまうならば
与太郎は心任せに人生を惰眠するだろう
駑馬は他責丸投げで日常をねぐるだろう


大宇宙の圧倒的な摂理に対峙したなら
もうね 人間の浅はかな智慧なんぞ
コテンパンに拉がれて
ボロクソに引っ叩かれる
容赦なく分別なしに諭されるんだ


そこには 善悪だとか 毛色が違うだとか
そんな些細な価値観なんて蹴散らされて
無私無心で無念無想に往なされる


だからもう 一斎を脱落するしかない
そう、なにもかも ぜんぶだね
そうなるとさ
もう感謝しか残らないんだ


比べない 評さない 説かない
すっかり手ぶらにしちゃって
すべてが'巡りあわせ'にしてしまう
すべてが'ありがとう'にしてしまう


ただただ 無為に生きる


たったそれだけのことなのに
いやはや それが難しいんだってことよ
何億の輪廻をまわしたとて
ヒトは難産色に懲りない面々なんだから

Ω 𒀭𒎏𒄯𒊕 _